「型枠」とは、「コンクリート製のビルやマンションなどを建設する際に必要な木造の枠」のことです。
「型枠大工」とは、型枠工事を担当する職人のことです。
型枠大工は、鉄筋コンクリート構造物には欠かせない工程の一翼を担っています。
マンションなどの大きな柱や壁や梁など建物の基本となる部分は、鉄筋などで作られた骨組部分にコンクリートを流し込んで作ります。コンクリートは液体のようなものなので、決められた寸法の形に仕上げるには何らかの枠を作らなければなりません。一般的な枠の材質は、熱帯材から作られた合板や桟木などを使用し、設計とおりに木造りの枠(型枠)を作ります。この枠を作るのが型枠大工の仕事です。
建設業者は、発注者から土木工事一式・建築工事一式を直接請負う総合工事業者(ゼネコン)と、これに協力して施工にあたる専門工事業者(サブコン)に分けることができます。
ゼネコンは発注者から元請業者として、受注した工事を完成まで管理・監督します。
ゼネコンからの発注で基礎工事・仕上げ工事等を行う専門工事業者(サブコン)は、ひとつの建物にかかる各工事を進めていきます。
- 専門工事業者(サブコン)とは・・・・・
- 発注者(施主)とは直接契約しないで、特定の専門工事についてゼネコンから仕事を請負い、その建設工事ごとに施工組織を編成し、それぞれの専門技術を駆使して仕事を行います。その分野は、土工事・基礎工事・躯体工事・仕上工事・設備工事など広範囲にわたり、躯体工事についても、型枠・鉄筋・コンクリート等の工事に細分化されています。
型枠工事業はこのサブコンの躯体工事分野を担っています。
明治27年 | 煉瓦造耐震補強建物の建設、鉄筋コンクリート造技術の紹介 |
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明治37年 | RC造建築物が出現 |
大正4年 | 建設需要が旺盛 |
大正12年 | 関東大震災以後 |
大正14年 | 市街地建築物法が、耐震・耐火建築のRC構造、SRC構造の性能実証、 耐震規定の制定があり、構造体煉瓦の使用禁止 |
昭和6年 | 建物高さ31mの限界規定が制定 |
昭和14年 | 第2次世界大戦 木造建築統制、建築技術者出頭要請要求 |
昭和17年 | 戦時規格が制定 日本学術振興会にて建築耐震構造要領が作成 |
昭和21年 | 労働基準法施行 |
昭和22年 | 建設省、労働省が発足 |
昭和23年 | コンクリートポンプの生産開始 |
昭和24年 | 建設業法制定 生コン工場が操業開始(イワキセメント) 床板型枠用木製水平支保梁の開発使用 |
昭和25年 | 建築基準法、建築士法が公布 PCコンクリート、シェル工法、リフトスラブ工法などが普及 |
昭和26年 | バッチャープラントの利用 振動打工法の普及 |
昭和27年 | 生コン運搬ミキサー車輸入 |
昭和28年 | 鋼製仮設材・型枠材の開発 日本建築学会:JASS5第1版発行 |
昭和30年 | 住宅公団が発足 |
昭和31年 | フォームタイ類のJIS表示が認可 コンクリートタワー、突き棒、割り竹、棒状バイブレーター導入開始 |
昭和32年 | ゼガミキサー、バッチャープラント導入開始 |
昭和33年 | 生コン車の登場 |
昭和34年 | 全自動バッチャー導入開始 |
昭和36年 | 型枠大工の専門工事業団体として東京建設工業協同組合が設立 |
昭和37年 | 合板型枠工法の普及 定置式ポンプによる打設開始 |
昭和38年 | 基準法改正、高さ31m制限撤廃、 型枠工事は大工側の材工一式発注方式へ |
昭和39年 | 東京オリンピック開催 型枠の大型化が進む |
昭和40年 | 素板工法が本格化 コンクリートポンプ車の販売開始 |
昭和41年 | HPC工法開発、鉄筋組立てのプレハブ化等工法の開発 「合板型わく」導入 |
昭和42年 | 「コンクリート型わく用合板」日本農林規格(JAS)の制定 |
昭和43年 | 鋼製型枠の大型化など各種の型枠工法が採用 社)全国建設業専門工事業団体連合会・大工部会 設立 |
昭和44年 | 工業化建築(ユニット化、大型化)指向、住宅産業ブームスタート |
昭和45年 | 大阪万博開幕 コーン素材としてポリプロピレンによる開発スタート |
昭和46年 | 狂乱ブーム 床壁分離打ち等外装工事を合わせた型枠工事の合理化のスタート |
昭和47年 | オイルショック 労働省の型枠支保工の組立等作業主任者資格が制定 |
昭和48年 | 列島改造ブーム 鉄筋継手工法が開発 |
昭和49年 | 1、2級型枠施工技能士登録が開始 |
昭和50年 | 沖縄海洋博開催 (社)日本建設大工工事業協会が設立 低スランプコンクリート、高級コンクリート施工開始 (スランプ高級18、常用21cm)等 |
昭和51年 | 円高ドル安、不況深刻化 |
昭和53年 | RC,RC構造から梁S構造への変換 生コンJISの改定 |
昭和56年 | 景気回復、高度成長、安定成長へ 構工法の合理化、省力化、システム化が指向 |
昭和59年 | 産廃規制強化、アルカリ骨材反応の問題が発覚 透水型枠や透光性型枠などの採用 コンクリート流動化の品質基準が制定 |